千葉に甚大な被害をもたらした、令和元年の台風15号(ファクサイ)。
思い返せば、警告はちゃんとされていたんだよな。
首都圏のJRが軒並み計画運休を発表する、という異例さ。
気象庁の記者会見の「世界が変わる」という発言。
にもかかわらず、千葉市在住の我が家では「停電したら水道も止まるかなぁ」という呑気な会話を交わしただけで、「明日の電車も、どうせまた昼頃まで復旧にかかるんでしょ」程度の甘い認識で就寝したのだった。
その後はまさか、あんな大事になろうとは思いもよらず。
そんな訳で高をくくって、風呂に水を貯めることもせず就寝したものの、深夜3時には暴風雨が窓ガラスに叩きつけられる音で目が覚めることになる。
雨戸のない我が家。飛来物で窓ガラスが割れる恐怖に震えながら布団にくるまってると、4時には電気も消えた。
真っ暗な中、Yahoo!天気の画面をスクショしたのがちょうど台風の勢いMAXだった4時半頃。
この時の千葉は「風速35.1m/s(南東)、降水量25o、気圧967.2hPa」だったそうな。
うちの窓は、おあつらえ向きに南東向きです(´・ω・`)
5時頃、台風の目に入って風が弱まった後は風向きが変わったので安心して就寝したものの、起きても停電は解消していない。
電車は8時を過ぎても動く気配がないので、会社に電話して自宅待機を決め込む。
その後もだらだらと寝ていたものの、トイレで水が出なくなっていることに気づいて愕然。
後から知ったのだけれど、集合住宅の場合「受水槽」方式だとアウト。
停電になると、受水槽から各戸へ水を送るポンプが止まってしまうから、だそうな。
(受水槽に「非常用給水栓」というものがついてる場合はそこから使えるらしい)
仕方なく近所の公園でペットボトルに水を汲んできたものの、
・冷蔵庫は開けられない
・水は出ない
となってくると、災害備蓄品などほぼ皆無の我が家には、食べ物はおろか、飲み物すらない。
このままでは、エアコンも効かない蒸し風呂状態の自宅で干からびるばかり……
まずは街中の状況を見て、買えるものがあったら買ってこよう、と、留守番を決め込んだ夫の人を置いて、財布だけ持って家を出た。
この頃、だいたい11時半。
大通りの信号は消えていた。
と思うと、ちょっと離れたLED信号は動いてたりして、イマイチ停電の基準がわからぬ。
近所のドラッグストアも当然停電だったが、薄暗い中、バイトのお姉さんが心細そうにレジに立っていた。
レジ、といっても、当然停電なのでレジは動かない。
メモ用紙に買うものの名前と金額を書いてお姉さんに渡すと、そのメモを元にコードと金額を書き取り、電卓で計算して精算してくれる。
あー、噂には聞いてたが、停電してると本当にこうなっちゃうのねー。
スーパーは、残念ながら「停電のため閉店」。
食べ物はそこに期待してたんだけどな。
それより仰天したのは、自宅から約300mくらい離れたそのスーパーより先の建物には、電気がついていたことでΣ(゜д゜;
そこから最寄駅は目と鼻の先。
半信半疑で駅まで行ってみると、駅の建物や、駅前のコンビニやファーストフード店は通常営業中。
駅の改札前には数人の駅員さんと、運転再開を待ちかねる利用客が数人立ってます。
しかし、改札前の貼り紙には「早くて15時頃運転再開見込」という残酷な一文がありました。
これはアカン。
朝の時点で職場に休みの連絡を入れてて大正解。
(あとあと、この日は出勤扱いになりましたが)
後から気づいたんだが、上の写真、よく見たら電車止まってるのにキオスクは開いてたんだな……
駅前ビルの屋上に立っていた大きな看板も、強風に煽られて落ちたらしい。
このサイズの看板が落ちるとは、と、ゾッとする。
道端の自販機も、だいぶ残念な感じになっていた。
なお、自販機についていたはずの商品見本パネルは、数十メートル離れた駐車場に吹っ飛んでました。
朝から飲まず食わずな上、台風通過後の炎天下を歩いてきたヘロヘロ状態のワタシはこのあたりで力尽き、駅前のファーストフード店にイン。
そのまま座席でしばらく魂抜けた状態で座ってました(´・ω・`)
お店の中は、一見いつもと変わらない様子だけれど、店員さんがお客さんとの会話で「うちも電気止まってて、今頃冷蔵庫がダメダメですねー」と笑ってたり、近くの席にいる人が勤務先(おそらく病院)に電話して「電車が止まってて、今日は出勤できなそう」と話していたり、と、実は店内にいる人のほとんどが、何らかの形で困っている人達。
周囲のお客さん達の会話から察するに、電気が通っているのは本当に駅周辺だけらしく、駅を挟んだ反対側も同様に停電しているらしい。
一方のワタシ。
館山の実家が気になって実家に電話してみると、携帯は通じなかったものの、幸いにも固定電話が通じた!
実家の電話は昔ながらのダイヤル回線なのが幸いしたんだな、きっと。
実家の被害は、瓦が数枚落ちたのと軒先のトタンが剥がれたくらい、と、南房総エリアとしては軽微な方でしたが、やはり深夜0時頃から停電しており、暑さにまいっているらしい。
ただ、我が家と違って戸建なので断水は起きておらず、それだけはありがたい。
そのまま1時間くらい涼んで、ちょろっと買い物して帰宅。
なお、駅前のコンビニではおにぎり系の「すぐ食べられるごはんもの」や「冷たいそば」が既に絶滅しており、残っているのは温めるお弁当(真夏です)とか菓子パン程度でした。
帰宅しても、まだまだ停電状態は変わらず。
実はワタシが駅前で呆けてる間に、夫の人は避難の算段を考えていろいろ調べていた様子。
当初は漫画喫茶、と言っていたものの、翌日仕事の身でそれはちと厳しい。
最寄駅の駅前周辺が電気が通っているということは、千葉駅周辺はおそらく無事だろう。
で、千葉駅周辺のビジネスホテルを探すも、考えることはみな同じなのか、迷ってるうちにどんどん部屋が埋まっていくΣ(゜д゜;
何とかかんとか一部屋押さえることができたので、2人でバスに乗って千葉へ。
千葉駅前は、ビックリするほど日常でした。
そんな中ホテルに入り、ここで被災後初めてテレビを見ることになる。
ちなみに、この時点ではほとんど台風15号による千葉の被害状況は報道されていない。
君津の大きな送電柱が2本倒れたせいで停電してるらしい、とか、五井でゴルフ練習場のポールが倒れて家が数軒潰された、とか、東千葉駅の屋根が吹っ飛んだとか、ほぼ千葉北西部くらいまでの情報しか流れてこない。
県南部の話といえば、館山三中の裏のガソリンスタンドの屋根が落ちたくらいだったかなぁ。
twitterを検索して、母の出身地でもある館山市布良の惨状を含めた県南部の状況に愕然としていたのだが、テレビはこの時点では「首都圏の電車の混乱」の話くらいしかしてくれないのだった。
翌日電気が復旧することを祈りつつ、この日は就寝。
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