2017年08月12日

「うらがわ」展

今年の夏休みは、暦の並びも手伝って、驚きの10連休。
そんな中、近所の図書館で見かけた、千葉市美術館の「うらがわ」展のポスター。
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目に見えないものを指す「うら」という言葉にかけて、この世の「うら」を描いた怪談ものや、表に見えないひとの「心(うら)」を印象深くとらえたもの、美術作品を裏に表に支える知られざるテクニック、スケッチなどを紹介。
(展覧会チラシ説明より)


フム。
千葉市美術館、地元のわりにまだ1回しか行ったことないんだよね。
チラシのでっかいガイコツの浮世絵(相馬の古内裏)も有名だし、ちょっと見に行ってみたいなぁ。
と思ってよくよく見れば、観覧料は驚きの「一般200円」!
どうやらこちら、千葉市美術館の所蔵品がメインの展覧会ゆえ、このお値段らしい。
千葉市美術館はスペースの都合なのか常設展示は行っていないため、今回の展覧会が事実上の常設展示と思われます。
ご近所&お手頃プライスだったので、前を通ったことしかないダーリンを誘って早速出撃。

千葉市美術館は、千葉市の中央区役所と同じ建物です。
その上、旧川崎銀行千葉支店の建物を「さや堂ホール」という形で内包している、変わった建物。
建物の中に建物がある、という次第。
前回はあんまり中をちゃんと見なかったけど、昭和2年に建てられたというネオ・ルネサンス様式のホールは一見の価値あり。
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コンサートや展覧会などで貸し出しもされているそうで、ドラマのロケにも使われたりしてるらしいです。

エレベーターで8階まで上がると、展覧会の入り口。
夏休みの真っ最中でしたが、それほど混雑はなし。
そして、初っ端から草間彌生さんの作品が並んでいてビックリです。
「幻の青春をあとにして」という作品は、よくあるボートに水玉模様の房がびっしり縫いつけられている、という代物。なかなかのインパクト。

そこから、月岡芳年の「風俗三十二相」を始めとした浮世絵と現代美術が次々に現れます。
うーん、不思議な展覧会だ。
月岡芳年って、血みどろの絵のイメージが強いんだけど、それも偏見らしいです。
この「風俗三十二相」は、女性の「○○さう(そう)」という様子をいろいろ描いているのですが、「うるさそう(猫が)」とか結構ユーモラス。
「けむそう」の煙のラインなどは、ちょっとミュシャの絵に近い印象すら感じるなぁ。

工藤哲巳「あなたの肖像」は、籠の中に男性の人形が入っている。
本来の展示では、作者本人が入ってたっぽい。
「人間は、種の保存の奴隷であり、そこから解放されるべき」という作者の主張に、頭でっかちなダーリンはわりと感銘受けてました。

その先は、わりと浮世絵がメイン。
現代のブロマイド的な役者の錦絵の他、役者の日常生活を描いたものも。
なるほど、現代の週刊誌の「アイドルの休日を激写!」みたいなもんだな。
今も昔も、一般大衆は有名人の「裏側」が気になる模様。

今回のメイン、「相馬の古内裏」は「この世の『うらがわ』」というセクションにありました。
この有名な絵は、平将門の遺児、妖術使いの滝夜叉姫が、骸骨を呼び出して源頼信の家老と対決するシーンを大胆な構図で描いたものだそうで。
それほど大きな絵ではないのですが、骸骨がリアルで結構なインパクト。
ほかにも、平家の亡霊や妖怪を描いた錦絵が並んでいるのですが、そんな中、突然真っ暗な空間がありました。

宮島達男「地の天」。
真っ暗な部屋で、無数のデジタルカウンターが異なる速度で0から9の明滅を繰り返す。
それだけの作品なのですが、見ていると何だか不思議な気持ちになってくる。
展覧会のポスターの骸骨の背後のデジタル数字は何かと思ってたら、これだったのね。

最後は「制作の『うらがわ』と称して、日本の現代美術がメインの展示。
現代美術って、個人的には「完成した作品」だけで完結しないイメージがあるんだよね。
作者の思想や、それに基づいた作品の制作過程にこそ意味があって、完成した作品単品だけ見るとサッパリ意味がわからない、という。
そのへんが現代美術の苦手なところではある。
感覚的な「美しさ」を鑑賞するんじゃなくて、もっと頭を使って鑑賞しないといけないとこがめんどくさいんだと思う(´・ω・`)

ミュージアムショップも結構充実してました。
美術関係の本もかなり売ってるし、意外に収蔵品のグッズも作っているっぽい。
とりあえず、絵はがきを買って帰ってきました。
200円じゃ申し訳ないくらいの、充実した展覧会でしたな。
企画展になるとそれなりな観覧料にはなるみたいですが、興味ある展覧会があったらまた行ってみたいです。

余談ですが、先日千葉市長選挙があった際、現職の熊谷市長の公約の中に「中央区役所を移転し、千葉市美術館を拡充する」というのがあるそうな。
そしたら、常設展示スペースもできるのかなぁ。
せっかくいい収蔵品がたくさんあるんだし、市民としてはぜひ活用してもらいたいなぁ、と思います。


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posted by 実里 at 23:00 | Comment(0) | 芸術鑑賞 | 更新情報をチェックする
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