2014年11月28日

日本国宝展

上野の東京国立博物館で開催されていた、「日本国宝展」に、金曜の終業後に行ってきました。
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チケットに印刷されているのは、昨年国宝に指定されたばかりの「善財童子立像」と、三千院の阿弥陀如来の脇侍の「勢至菩薩座像」。
いずれも、今回の展示の最後の方にいらっしゃいました。

【参考】
日本国宝展(東京国立博物館サイト内)

今回の白眉は「金印」。


例の「漢委奴国王」っていうあの金印、です。
これが11月18日〜30日の12日間限定で展示される、というので、金印が来てる最後の金曜であるこの日に上野にゴー。

さて、いざ平成館の前に着いてみると、入館まで20分待ち。


あららー、やっぱり金曜夜のお勤め帰り組は多いのね。
といっても、実質は10分くらいで入館できました。
むしろ、その後のロッカー確保が大変で。
ようやくロッカー確保後慌てて上着と通勤カバンを突っ込み、財布とスマホとチケットだけ持って入場後、「カバンにギャラリースコープ入れっ放し」ということに気づいて愕然です。
そうそう、会場ではA5サイズの書類挟みを使って目録にメモを取る人を見かけたので、今度100円ショップあたりで書類挟みも物色しとこっと。

で、ようやく展示室に入ると、出だしから巨大な仏足石がお出迎え。
と思ったら、次のフロアにいきなり「玉虫厨子」がどーんとご登場でビビるワタシ。
え、いきなりメインディッシュ。

玉虫厨子


大きな厨子です。
さすがに玉虫の羽は全然わからない。が、周囲の絵はそれなりに残ってます。
有名な「捨身飼虎図」は、見てるだけでゾクゾク。
いやはや、最初から全力ですよ国宝展。

さてさて、引き続き国宝展、その手を休めることなくいろいろ見学者を打ちのめします。
あの聖徳太子の佩刀と言われる「丙子椒林剣」の、1300年も経っているとは思えない輝き。
地獄の恐ろしさを生者に生々しく見せつける「地獄草紙」と、その隣にあった「華厳五十五所絵巻」の、線の柔らかさや色彩の美しさ。
(畏れ多くも日本のマンガの原点にも感じる)
藤ノ木古墳から出土された馬の鞍金具や、唐招提寺所蔵「金亀舎利塔」の細工の見事さ。
国宝展を回っているワタシの様子を端から見たら、ずっと目を見開いて口を半ばポカーンと開けたマヌケ面だったと思います。
いやはや眼福眼福。

そんな中でも、個人的に印象に残った展示品をいくつか。

東京国立博物館蔵「虚空蔵菩薩像」


これは実に美しい!
正直仏画ってそんなに興味なかったんだけど、この虚空蔵菩薩様は、お体に纏う装飾具も鮮やかですが、図像全体の雰囲気が、個人的にはとても好き。うまく言えないですが。
ちなみに虚空蔵菩薩は、広大な宇宙のような無限の知恵と慈悲を持った菩薩、ということで、知恵や知識、記憶の利益をもたらす菩薩として信仰されるそうな。
最近記憶力低下が著しいワタシが是非とも拝みたい菩薩様です。

和歌山・有志八幡講十八箇院蔵「阿弥陀聖衆来迎図」


来迎図の名品で、とても大きな絵です。
阿弥陀如来の周囲の、無数の聖衆の皆様。
手に手に楽器を持ち、画面から妙なる音楽が聞こえてきそうな躍動感を持って描かれています。
平安時代の貴族は、この絵を拝んで極楽浄土への往生を願っていたんでしょうな。
ワタシも、見ているだけで何となく手を合わせて極楽往生を願いたくなってきました。

法隆寺蔵「広目天立像」


すぐ脇にあった興福寺蔵の多聞天(平安時代作)の躍動感に比べると、こちらは飛鳥時代作だけあってそれほど動きはなく、鬼の真上に直立し、穏やかな表情です。
個人的に注目したのが、踏みつけられた邪鬼。
なんかちょっと面白い顔だし、姿勢も肘ついた組体操みたいになっちゃってる。

そうそう、今回の白眉「金印」。
なんと、第二展示室の途中に行列ができていた。
外から遠巻きに眺める分には特に並ぶ必要はないのだけれど、間近で見たい人はこの行列に並べ、とおっしゃる。
その待ち時間、30分。
但し、この時点で時刻は閉館45分前ゆえ、とりあえずは遠巻きに眺めて「金印ちっさ!」という感想だけ抱いて他の展示品の堪能続行しました。
で、ぐるりと回って戻ってきたら、閉館15分前で「待ち10分」に変わってたので、行きがけの駄賃で並んでみました。
間近で眺めた感想:「うん、金印だ」。
……結局、遠巻きに眺めたのと大差なかったかな。
「間近で見た」という達成感だけは得られたが。
(そういや、「6年の学習」についてきてた金印のレプリカ、どこやったっけなー)

さて、最後は売店。
しかし、売店は大行列。
金印とレジ待ちの行列の長さが大差ないよ!
そして、基本仏教モノに関してはあんまり絵はがきを買わないこともあり、最終的には「八橋蒔絵螺鈿硯箱」(尾形光琳作・国宝)を参考にしたクッキー缶を買ってきました。


クッキー食べ終わったら、この缶を小物入れに使うんだー。

結論から言えば、これは行ってみてよかったです。
欲を言うなら、売店をもうちょいちゃんと堪能したかったねー。
売店の行列、あれもうちょい何とかならんものなのかしら(´・ω・`)
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posted by 実里 at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術鑑賞 | 更新情報をチェックする
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