ラファエロ、キライじゃないけど熱狂的なファンでもないのでどうしようかな、と思っていたら、気づけば会期最終週。
そして、最終週の平日は、毎日夜20時まで延長開館しているという。
これは行かねば。
で、会期終了4日前の会社帰りに、かなり駆け込みで上野へゴーでした。
ラファエロといえば、やっぱり聖母。
ちょっと前に「美の巨人たち」で「大公の聖母」という絵を特集していましたが、今回のチケットはまさにその「大公の聖母」がデザインされています。
なるほど、来日していたからの特集だったのね。
【参考】ラファエロ「大公の聖母」(「美の巨人たち」バックナンバー)
この絵は、ナポレオン時代のトスカーナ大公レオポルド3世が所有していたことから「大公の聖母」と呼ばれているそうな。
真っ暗な背景に浮かび上がるような聖母子。
どこか神秘的。
が。
近年の調査で、どうもこの真っ黒な背景の下には背景が描かれていた、ということが判明したらしい。
ググってみたら、この塗りつぶされた背景を復元しようとした記事がヒットしました。
ラファエッロ作≪大公の聖母≫ 失われた背景復元模写
(「旅ィタリア」様)
さてさて、現物を拝みまする。
「大公の聖母」は、薄暗い展示室の中、係員数人を両脇に従えて鎮座されておりました。
その前にはロープが張られ、絵の全景を鑑賞するためにはロープ越しに遠巻きに眺めることになる。
近くで鑑賞したい場合は、そのロープの内側を右から左に歩きながら、「立ち止まらないでください〜」という係員の声を背に、眺めることになります。
なるほどねー。さすがはこの展覧会の白眉。
薄暗がりの中、聖母子は神々しいまでに輝いて、極東の異教の人々の前に在りました。
他に印象深い絵。
エゼキエルの幻視。
あ、コレ、見たことある!
しかし、驚いたのはその小ささ。
40×30cmしかない。
本で見た時は、こんなにちっちゃい絵だなんて思わなかったよー。
やっぱり有名な絵なので人だかりができてるんですが、この真正面に老夫婦がずーっと陣取っていて、なかなか絵を正面から見れなかった(´・ω・`)
ちっちゃい絵だしな。お年寄り的には細部がじっくり見たかったんだろうな。
というのはわかる、わかるんだが……(´・ω・`)
他にもいろいろ展示はあったのですが、なにせそれほどラファエロは詳しくないのと、この記事を書いてるのが鑑賞後1ヶ月後(!)なんで、記憶もおぼろだったり。
「ラファエロはいい人だった」とか、「下絵を板に写すために、下絵に細かく穴を開けていく」という技法とかの記憶は一応残ってる。
そうだよなー。昔はカーボン紙とかないもんなー。
ちなみに天下のラファエロなんで、20点以上もラファエロの作品を揃えた展覧会がヨーロッパ以外で開催されるのは初めてなんですって。
スゲーなTOKYO。
おかげで、平日の夕方といえど、ガラガラってワケにはいきませんでした。
それでも、休日に出かけていくよりは遥かにラクに名画を鑑賞できたんだろうなー。
「都心通勤の京成線沿線住民」というのは、芸術鑑賞好きの人間にとっては極めてありがたい環境なのでした。